
はじめての方に
空調の省エネとは?
(外乱から考える、やさしい入門)
★快適性を守りながら、根拠あるムダ削減へ★
・外乱が多いから、空調省エネは難しい。
・まず、空調の省エネは 「外乱」 から考えます
・空調の使用エネルギー全体における 「損失エネルギー割合」 (よくある目安)
・現状の確認(可視化・数値化)は、まず 「簡単な方法」 でOK
・空調省エネの進め方: 可視化 → 損失要因の確定 → 改善設計
参考リンク
外乱が多いから、空調省エネは難しい?
★そんなことはありません。順番が分かれば進みます!★
空調省エネは「機器だけ」を見ても決まりません。
外乱を理解し、可視化 → エネルギー損失要因の確定 → 改善設計の順で進めると、快適性を守りながらムダを減らせます。
サーモ画像やAI分析なども活用して、"根拠ある省エネ"へ。
御社の現在の目的は何でしょうか?
まず、空調の省エネは「外乱」から考えます。
空調の省エネとは、我慢して室温を上げ下げすることだけではありません。
本質は、必要な場所に、必要な量の冷熱(または温熱)を、必要なタイミングで届けることで、ムダな運転を減らしながら快適性も守る取り組みです。
ただ、空調の省エネが難しく感じられるのは、空調が「毎日同じ条件で動いているわけではない」からです。

まずは「外乱」を知る
空調の電気代は、同じ建物・同じ機器でも日によって大きく変わります。
その最大の理由が、空調がいつも受けている外乱(外からの影響)です。
暑さ・湿度・日射、ドアの開閉、人の出入り、厨房の熱、換気量の変化、冷凍冷蔵設備との干渉…。
空調はこうした外乱に合わせて働き方を変えるため、ムダが出たり、効きが悪くなったりします。
(自動車で言えば、向かい風・上り坂・渋滞・荷物の重さが変わると燃費が変わるのと同じです。)
外乱は「複数の領域にまたがる」
★それがややこしさの正体です★
空調の外乱は、ひとつの原因にまとまりません。
気象(外気)だけでなく、建物(断熱・すきま)、人の動き(出入り・人数)、換気(外気導入)、内部発熱(厨房・機械・照明)、気流(温度ムラ)、計測・制御(センサー位置)、機器状態(汚れ・劣化)にもまたがっています。
空調の使用エネルギー全体における「損失エネルギー割合」(よくある目安)
空調に使われるエネルギー(電力)のすべてが"必要な冷熱/温熱"として役立っているわけではありません。
外乱や運用、気流ムラ、換気過多などが重なると、同じ快適性を得るために余計なエネルギーが上乗せされます。ここではそれを「損失(改善余地)」と呼びます。
※目安:多くの現場で、空調使用エネルギーのうち損失(改善余地)は約15〜35%(条件によってはそれ以上)として現れることがあります。最終的には次章の可視化で「あなたの現場の割合」を確定します。
イメージ図(目安)
「損失」の見方で数字が変わる理由(2つの基準)
空調の損失(改善余地)は、何を基準に"ムダ"とみなすかで数字が変わります。
このサイトでは、次の2つの見方を意識して整理します。
COPとkWhの違い
★スーパーマーケットなどで特に重要な理由★
空調の省エネを語るときCOPという数値が出てきます。
COPは「効率」ですが、電気代に直結するのはkWh(電力量)です。
電力量(kWh)は、ざっくり次の関係で決まります。
電力量(kWh) ≒ 必要な冷熱量(負荷) ÷ COP(効率)
ここで重要なのは、COPだけ見てもkWhは決まらないということです。
なぜなら、現場ではCOPと同時に「負荷(必要冷熱量)」も動くからです。
特にスーパーマーケットでは、冷気漏れ・気流干渉・デッドスペースが「損失負荷」を大きくしやすく、COPの変動と相殺が起きやすいのが特徴です。
COPが下がってもkWhが「増えない/あまり変わらない」ことがある(スーパーの典型)
たとえば、コールドフェンスや風よけ等で冷気漏れ(外気侵入=湿気の流入)が減ると、除湿負荷が下がり、必要冷熱量(負荷)が下がるので本来はkWhは下がる方向に向かいます。
一方、同じ期間に
・室外条件が厳しい日が続く
・室外機の汚れなどで放熱が悪化する
・台数制御や部分負荷運転の影響で効率が落ちる なので下がると
「負荷が下がった(kWh↓)」+「COPが下がった(kWh↑)」が相殺し、
結果としてkWhが思ったほど下がらない/ほぼ横ばいになることがあります。
また、気流干渉が強い売場では、空調とオープンケースが"喧嘩"して乱流が増え、
ケース側負荷や湿度処理負荷が上がり、総負荷が膨らむことがあります。
これを抑えて「損失負荷」を減らしても、同時にCOPが落ちれば、kWhは横ばいに見えます。
さらにデッドスペースが多い現場では、暑い場所を埋めるために
設定温度を下げる/風量を上げる/運転時間を伸ばす対応が起きやすく、
負荷側のブレが大きくなって、kWhの変化が読みづらくなることもあります。


kWhを下げるには「COPを良くする」だけでなく、
まずは冷気漏れ・干渉・デッドスペースなどの
"損失負荷"を見える化して減らすことが近道です。
空調のエネルギー損失と「要因割合」
★損失部分の内訳:よくある目安★
ここから下は、上で示した"損失エネルギー(15〜35%)の中身"が、どの要因にどれくらい分かれるかの目安です。
つまりA/Bの割合は「空調エネルギー全体」ではなく、損失部分だけの配分です。
使い方のコツ:
総空調エネルギー × 損失割合 × 要因割合 = 要因別の損失目安
「割合」をどう使う?(使い方のコツ)



現状の確認(可視化・数値化)は、まず「簡単な方法」でOK
外乱が多い空調では、いきなり対策を決めるよりも、先に"いま何が起きているか"を見える化した方が早道です。





サーモカメラの性能によって「ここまで」わかります
解像度や感度、補正機能が良いほど、温度ムラの境目、侵入経路、日射影響点、内部発熱源、冷気漏れ/放熱の偏りなどが見えやすくなり、改善の当たりをつけやすくなります。
サーモ画像×AIで、判断をラクに(損失量の目安も)
AI分析で、次のような整理ができます。
条件が揃えば、温度差×影響範囲から損失量の目安を簡易試算し、「どこがどれくらい負荷を増やしていそうか」を優先順位つきで提示
測り方のコツ(これだけ押さえる)
・代表点だけに頼らず、苦情点を含め2〜3点で比較
・同じ曜日・同じ時間帯など、条件を揃えて比べる
・温度だけでなく湿度も見る(夏は特に重要)
便利な道具(最初は"簡単に見える化"できるものから)
・サーモカメラ(熱画像)
・温湿度計(複数台)
・電力の見える化(回路別が理想)
・CO2計(換気の影響を見る)
・気流の簡易チェック(届かない/ショートサーキットの補助)
※スマホでの見える化に役立つ製品情報(空調向けIoT/電力モニタリング等)は、「マルシェ(省エネ商品)」の各商品ページでご確認ください(特長・用途・導入イメージを掲載しています)。
空調省エネの進め方:
可視化 → 損失要因の確定 → 改善設計

まずは可視化
必要に応じて小さく検証して確信を持って実装します。
外乱別:改善設計例(抜粋)

ここから先の3つの進み方
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